こんにちは、木崎 誠です。
以下書籍について、書評を記録いたします。
倫理学とは「どうすれば良い生き方ができるか」という、ある種漠然とした問いに対する学問です。
この問いは時代によってその答えを変えます。
例えば、SNSにおける良い行いなどを考えられたのは倫理学の歴史から見るとごく最近のことです。
倫理学、と聞くと何に役に立つのか、という疑問が出てくるかもしれません。
しかし、これほど日常で使われている内容は珍しいでしょう。
スーパーの商品はお金を出して買う。
こういった社会的なルールを守っているのは倫理観です。
日常の細かい判断にまで影響する倫理学。
本書はその内容を、それこそふだんづかいできるほどに分かりやすく分解した一冊です。
本書評ではそのうちの「個人」に関する部分を扱います。
個人的ベストフレーズ
結局のところなにがやりたいのか、どうなりたいのか、その究極のものを我々は、漠然と「幸福」と呼んでいるようです。
出典:平尾 昌宏『ふだんづかいの倫理学』(Amazonへ)
幸福とは何か。
これは多くの人がなんとなく疑問に思いながらも、なかなか答えが出せない問いだと思います。
お金持ちになりたい。世界中を旅行したい。世界を動かすようなビジネスをしたい。
こういった目的は、結局のところ「幸福になりたい」という目的に集約されていきます。
本書からの学び
本書で得た学びと、そう思った根拠を3つ挙げます。
学び
- 自分にとっての幸福、幸せとは何か、という難しそうな問題から逃げていると、手段の目的化に陥りやすい。
- 幸福は人それぞれのものだから、それぞれの人が自分で見いだして自分で決めるのが望ましい。
- 幸福は主体的なもの。その時々の気分で判断するのではなく、総合的に見て自分はどういう人生を送りたいのかを定めるのが望ましい。
- 自由は積極的自由と消極的自由の2種類がある。
- 積極的自由=自律とは、「自分はこうして生きていきたい」という自分なりの生き方の原則のようなものを自分で作り出すこと。
- 消極的自由とは他者の自由を侵害せず、自分の義務も怠らない範囲での自由のこと。
学びを活かすための行動
本書から得た学びを活かすための行動方針と、具体的内容を挙げます。
行動方針
- 消極的自由を満たしている上で、「自分はなにをしたいのか、幸福とは何か」を定める。
- その幸福に向けた行動のルールを自分で決める。すなわち自律する。
- 手段の目的化をしない。
- 例えば、「お金持ちになる」というものは目的ではなく、「幸せになるためにお金持ちになる」が本当の目的。幸せがふわふわした状態のため、お金という数値の多寡で判断できる要素を目的としてしまっている。
幸福、理想の状態を考える時はこちらの本が参考になります。
まとめ
学びと行動のまとめ
- 自由のために守るもの、決めるものが分かり、そのアウトプットが幸福と自律の定義である。
- 自分にとっての幸福、自律とは何かを言語化する。
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