悩み事には良い本が効く——書評「行く先はいつも名著が教えてくれる」

書評

こんにちは、木崎 誠です。

以下書籍について、書評を記録いたします。

  • 著者:秋満 吉彦
  • 出版社:日本実業出版社
  • 発売日 : 2019/2/7
  • 装丁:単行本(192ページ)
  • ISBN-10:4534056699
  • ISBN-13:978-4534056696

行く先はいつも名著が教えてくれる(Amazonへ)

日々生活していると多くの悩みや心配事が発生します。

そういったストレスが蓄積すると、人間はだんだん思考能力が落ち、平常時であればしないような判断をしてしまうケースもあります。

こういった過ちは誰もが避けたいと思いながら、悩みの原因である問題をなかなか解決できない、ということも多々あります。

そんな時、過去の偉人や想像を絶する苦難を乗り越えた人の考えを学ぶことで、現状を少しでも改善することができるかもしれません。

名著と呼ばれる本は、そう呼ばれるだけの実績を残した人によって書かれています。
すでに故人となっている方とも、本を通して対話することができます。
著名人と会って自身の悩みを相談する、という機会はなかなかありませんが、本を通してであれば可能です。

本書は、そういった人生における本との向き合い方の一例を示しています。

個人的ベストフレーズ

読み方に、正解や完璧な答えがあるわけではありません。作者の意図を超えたところで、自分に届いてくる「声」をつかむこと。これこそが真の読書体験なのではないかと、最近、身にしみてわかってきました。そうやって出会った言葉は、知的に理解しようとしたり、情報として記憶しようとしたりした言葉とはまったく違って、文字通り、自分の血肉になっていると実感します。

なぜなら、自分が絶体絶命ともいうべき厳しい局面に立たされたとき、心の奥からおのずとその言葉が浮上してくるからです。そういう言葉を、どれだけたくさん持つことができるかが、自分の人生をどれだけ豊かにできるかの鍵になるようにも思えます。

出典:秋満 吉彦『行く先はいつも名著が教えてくれる(Amazonへ)

良い本を読むと、「そういった考え方もあったのか」と、目から鱗が落ちるような体験をすることが多々あります。

そういった経験の元となった言葉は、長く自分の中に残ります。

辛い気持ちになったとき、苦しい状況になったとき、自分を支えてくれる言葉があれば、より前向きになれることでしょう。

本書からの学び

本書で得た学びと、そう思った根拠を3つ挙げます。

学び
  • 自分の思考、悩みに対して、他の良質な意見を取り入れることは状況を打開する有効な手段となる。
  • 特に名著と呼ばれる作品は読む人、読む時期によって与える影響を変えるため、より有用である。
学びの根拠
  1. 自分の思考、悩みに対して、他の良質な意見を取り入れることは状況を打開する有効な手段となる。特に、名著と呼ばれる作品は読む人、読む時期によって与える影響を変えるため、より有用である。
  2. 外なる仮想の敵と戦っているときは、内なる敵を忘却している。大切なのはゆっくりとでも自分を変えていくこと。
  3. 物事の判断を極端な対立思考に落とし込まない。

2についての考え。
これは7つの習慣における影響の輪に通じるものがあると感じました。
自分にコントロールできるものに集中する、という考えです。
相手と何か問題があっても、変えられるのは自分の行動だけ。相手との向き合い方だけ。相手を変えようとするのではなく、重要なのは自分を変えていくこと。

3についての注釈。
対立思考に陥るときは、どういったことが原因となりやすいかの事例が挙げられておりました。

街を綺麗にしようとゴミ拾いのボランティアを始める。誰に褒められるでもなく、自分が気持ちいいから。ここでゴミ拾いに関する意識の高まりが逸してしまうと、無神経にゴミを捨てる人を許せない人間になってしまう。
そういう人に対して心から軽蔑し、激しい怒りを感じる。もしこうなると、「街を綺麗にする人」と「街を汚す人」の二項対立で組み立てられた人格になってしまう

学びを活かすための行動

本書から得た学びを活かすための行動方針と、具体的内容を挙げます。

行動方針
  • 今の考えに執着せず、常に点検し、再構築や改善を繰り返す。
具体的な行動内容
  • 読書を続け、より良い考えや言葉を収集する
  • 問題に対して、自分ができることを考える。あくまで自分が行える、他人の行動に影響を受けないこと。他人の行動を変えるのではなく、自分の行動を変える。
  • 対立するようなことがあれば、どこがその起点なのかを考え定義する。個人の固定観念が発端であれば、ゆっくりとでも解きほぐすための行動をする。

まとめ

学びと行動のまとめ
  • 自身の考えに執着せず、他者の良質な考えを取り入れることの重要性を学んだ。
  • 名著などを軸に情報を取り入れ、より多くの観点や考えを学び、自身の判断軸を改善していく。

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